幼児期に勉強は必要なのでしょうか。
結論からいうと、小学校からの勉強をスムーズに進めるためにも、幼児期に学習習慣を身につけるのは有効です。
ただし、やり方次第では勉強嫌いになる可能性もあるので注意しましょう。
当記事では、学習習慣の身につけ方、勉強はいつから始めるのが正解か、親の心構えなどを解説していきます。
幼児期の学習習慣はどうやったら身につく?
幼児期の子どもは集中力がない、興味がないとやらない、イヤイヤと言い出すなど、「幼児期に学習習慣を身につけるのは大変そう」と思っている人は多いのではないでしょうか。
ところが、勉強や遊びの区別がつかない幼児期こそ、学習習慣が身につきやすいとも言えます。
習慣とは頑張らなくてもできるようになること
チャールズ・デュヒッグ著の「習慣の力」によると、人の行動の4割は習慣なのだそうです。
「そもそも習慣って何なの?」と思った方のために簡単に説明すると、「周りから何かしらの影響を受けたとしても、自然にやってしまう行動のこと」を指します。
例えば、小さい頃はおもちゃで遊んだりアニメを見ていたりすると、親が子どもに注意しても歯磨きをしないことが多いと思います。
これは、歯磨きをするよりもおもちゃやアニメのほうが楽しいと感じるからだといえます。
しかし、虫歯になったことで「歯磨きは大事だったんだ~」と子ども自身が気づいて毎日歯磨きをするようになるとやがて習慣になっていきます。
最初は嫌がりながら歯を磨くかもしれませんが、毎日繰り返しているうちにやらないと気持ち悪いと感じるようになり、頑張らなくてもできるようになっていきます。
幼児期の学習習慣を身につけるには頑張りすぎないこと
歯磨きはいずれ頑張らなくてもできるようになるのと同じように、幼児期の取り組み方次第で学習習慣は頑張らなくても身につきます。
毎朝机に向かって15分勉強することをゴールにするなら、いきなりそこを目指してはいけません。
大人でも一度に多くのことを詰め込もうとすると頭がパンクします。
子どもに対しても、親子で座って絵本を読み聞かせする、シールを貼る、鉛筆を持つ、数を数えるなど、一つのテーマを決めて数分だけやってみることから始めます。
飽きたらやめるなど、頑張りすぎずに軽い気持ちで取り組むのがいいでしょう。
幼児期の勉強はいつから始めるのが正解?
人間の脳は3歳までに80%が作られるそうです。
さらには、6歳までに90%が完成するともいわれているため、6歳までの伸びしろを使わない手はありません。
発達は子どもによってそれぞれですが、言葉や数などに興味を持ち始める3歳前後がおすすめです。
幼児期に学習習慣を身につけるポイント
人は新しいことを始めるとき、3週間続けることができれば習慣になるといわれています。
ダイエットや運動などは生存に関わるため3ヶ月必要ともいわれますが、勉強は3週間楽しく取り組むことができれば、学習習慣として身につく確率は高まるでしょう。
では、学習習慣を身につけるために、どのように勉強を進めていけばいいのでしょうか。
興味のあることから始める
最初の3週間が大事だと考えるなら、子どもが興味のないものを無理やらせるのはマイナスです。
学習習慣さえ身についてしまえば、「もっと難しい勉強がしたい!」と子どもの方からせがまれます。
なので、まずは子供の興味のあることから始めることが大切です。
子供が興味を示さなかったり、すぐに飽きてしまったりしても悲観的にならず、「じゃあ、これはどう?」などと声掛けしてみましょう。
勉強する時間帯を決める
小さい頃は嫌いだった歯磨きが習慣化するのは、ご飯を食べたら歯を磨く、寝る前に歯を磨くなどの関連付けを繰り返すからです。
こうすることで、ご飯を食べた後に歯を磨かないと気持ち悪いとか、歯を磨かないで寝ると虫歯になるかもしれないという不安が引き金になり、歯磨きを忘れないようになります。
つまり、勉強に対しても何かしらの引き金を作ってあげることで習慣化されやすくなります。
例えば、園に行く前や夕方テレビを見る前に15分ドリルをやるなど、何かの前後にくっつけてしまうのがいいでしょう。
勉強する時間帯が決まれば生活リズムも整っていくため一石二鳥です。
勉強する時間を少しずつ増やす
人の集中力は、一般的に15分程度だといわれています。
ましてや幼児となると、集中できる時間はさらに短くなります。
幼児の集中できる時間は年齢+1歳といわれているため、すぐに飽きてしまうからといって心配する必要はありません。
勉強を習慣化することが目的であれば、「今、1分でもいいからドリルに取り組めた」という事実が重要です。
元メジャーリーガーのイチローさんも、「また明日野球がしたくなるところで練習を終える」と言っていました。
そう考えると勉強も同じで、今日頑張りすぎずに楽しいところでやめることが大切ではないでしょうか。
勉強を頑張るのは、学習習慣ができてからでも遅くありません。
学習習慣が身につきやすい環境を整える
人は意識するしないに関わらず、環境から影響を受けているといわれています。
特に子どもとなると、テレビの音やポスターなど、大人にとっては些細な情報であっても気が散ってしまうことがあります。
なので、子どもが勉強している時はテレビを見ない、親がスマホを見ない、おもちゃを出しっぱなしにしないなど、子どもが勉強だけに集中できる環境を整えてあげましょう。
幼児期の学習習慣につながる親の心構え
勉強中はテレビを消す、親がスマホを見ないというのはもちろんですが、親の心構えが子どもの学習習慣に大きく影響します。
具体的にどんな心構えでいればいいのかを説明します。
勉強の時は勉強のことだけ考える習慣を身につける
小さい頃に、「ご飯を食べている時はゲームをやめなさい!」と言われた人もいるのではないでしょうか。
これは、ながら食べをすることによって、ご飯を食べるのが遅くなる、ゲームに集中しすぎて食べこぼす、一つのことに集中できなくなるなど、様々なデメリットがあるからです。
また、食べること自体が面倒くさくなって偏食になることも考えられます。
勉強も同じで、勉強の時は勉強のことだけを考える習慣が大切です。
15分でもいいので、何かに集中するという習慣が身につけば、一つのことを最後までやりきる力も養われます。
勉強をする前提の声がけをする
勉強しない子どもに「勉強しなさい!」と注意する親御さんは多いかもしれませんが、この声かけは逆効果になります。
「馬を水辺に連れて行けても水を飲ませることはできない」という言葉があるように、子どもが勉強する気がないときにいくら強く言っても効果は薄いでしょう。
逆に、「今日はひらがなと数字、どっちのドリルにする?」というように聞けば、勉強する前提で質問しているため、子どもも「じゃあ、こっち!」と答えやすくなります。
親子で勉強の時間を作る
「勉強はつらいもの」という前提があると、子どもは勉強に対してネガティブなイメージを抱いてしまいます。
何でもそうですが、一度嫌になってしまったものは長続きしません。
ここで大事なのは、親自身も勉強を好きになることです。
厚生労働省の調査によると、親がたくさん本を読んでいる子どもは、児童書や絵本を読む冊数も多くなるという結果になったそうです。
つまり、親が読書習慣を持っていれば、子どもも自然と本に触れる機会が多くなり、結果的に子どもも読書習慣が身につくことを意味します。
勉強も同じで、親が「勉強しなさい!」と言うだけでなく、親子で一緒に勉強する時間を作ることで勉強しやすい雰囲気作りができます。
大切なのは、親子で勉強の楽しさを見つけることで、新しい発見が子どもの「また明日も勉強したい」という気持ちにつながるでしょう。
幼児期の学習習慣におすすめの教材を紹介
「勉強が嫌い」というのは、勉強に対するネガティブな記憶の影響があります。
逆にいうと、子どもの勉強に対する記憶がまっさらなときに良い記憶を仕入れてしまえば、勉強好きになる可能性は高まります。
ここからは、幼児期の興味にあわせて学習習慣を身につけるのにおすすめの教材を紹介します。
2歳から始められる幼児ポピー
幼児ポピーは、できるようになることよりも好きになることに重点が置かれた教材です。
人の心、体、頭は脳によってコントロールされるという視点から脳の専門家が監修しているため、子どもの発達状況にあわせて学ぶことができます。
心、体、頭がバランス良く育っていくことで、思考力、忍耐力、継続力が楽しく身につき、生きる力や賢さにもつながるでしょう。
小学校生活に必要なルールも自然に学べるため、入学準備にもおすすめです。
まとめ
幼児期に学習習慣を身につけるには、子どもが楽しいと思えることから始めるのが正解といえるのではないでしょうか。
子どもが興味を持ち始めれば積極的にチャレンジするようになり、結果的にできることが増えて習慣化していきます。
焦らず子どもが好きなことから、毎日少しずつ始めてみましょう。